Freedom Laboratory

もっと自由で、いいんじゃないの?

特殊な嗅覚

最近、しぶしぶスマホに変えた。

よく訳も分からないまま、ただ、持っている。

 

使うたびに、指紋を完全に拭き取らないと気が済まない。

神経の病的な部分を刺激するアイテムが、また1つ増えた。

 

でも、今更かもしれないが、、、

 

ナビには驚いた。

 

情報を打ち込むどころか、話しかけただけで…

〇〇方向、300m先、信号を右折です

 

こうなったら、カーナビを後付けする奴なんかいないだろう。

そりゃあ、自動運転してるぐらいだからあたりまえか。

恥ずかしいぐらい、未知なことを自覚する。

なるほど、これは便利で能率がいい。

 

ただ、最新の機能、情報とはうらはらに…

職業はそれぞれ違うけど、、

 

野性的な嗅覚みたいなものが、人間にも確実に存在する。

 

 

 

逃げ込んだ研究所。

当時、ここで一番最初に担当として与えてくれた仕事…

 

『顧客管理及び債権回収業務』

 

どれだけ嬉しく、どれだけしびれたことだろうか。

 

地下足袋だった足元は、革靴に変わり…

何度洗濯しても落ちやしない、油くさいジャンバーは…

クロエの香りがするダウンジャケットに変わった。

 

県下全域を相手に展開している。

訪問先が片道2~3時間なんてあたりまえ。

契約書面、権利書、県別マップルを手に、ワクワク飛び出していく。

 

 

街中から債務者を訪ねて、はるばるよく分からないところまで行く。

地元のローソンには、マップルにはない地域周辺の詳細地図が置いてある。

それをいくら見ても、名前の表示がなかったり、違う名前だったり…

まるで警察かのように、近所を聞き込みに訪ねてまわる。

田舎の山奥で番地表示ともなると、債務者の自宅を特定することすら非常に困難だ。

結局何の結果も接点も得られないまま、トボトボと暗く長い山道を走り、深夜になる。

 

 

何年、こんな日々を繰り返した頃だったろう…

 

徐々に、、だんだんと…

 

何かが分かりはじめてくる。

 

債務者の匂いとでもいうのだろうか…

 

その債務者が住む家のまわりの空間だけが、グニャリと歪んで見えるような…

 

そこだけが、何か暗い影を落として、寂しい色を醸し出しているような…

 

 

あ、、ストップ、ちょっとバック。そこ右に入って、あの家やと思う

 

 

実際の地図より正確に、ショートカットで特定するようになる。

 

100%ではないものの、かなりの高確率で言い当てることができるようになる。

 

それが街中であれ、田舎の山中であれ、だ。

 

 

 

問い合わせの電話、これを引き合いと呼んでいる。

 

非通知は問題外、着拒。

携帯なら、まず下4桁で、その人となりを判断。

固定電話か公衆電話、それも立派な判断材料。

性別、声の質、口調、2~3言葉をかわせば…

嘘つきか、正直者か。

どんな状況の客か、是か非か判断できる。

どっちにしても、興味があれば、時間を取る。

 

 

問い合わせなしでの来客、これはさらに余裕。

 

性別、顔、目つき、髭、顔色、髪型、髪質、髪の色、声、口調、服装、作業服、バッグ、携帯、ピアス、指輪、香水、匂い、靴、ブランド、ノーブランド、立ち振る舞い…

全ての情報を瞬時に確認、判断。

すでに答えは出てる。時間はいくらかけても同じ。

もし契約に至るとすれば…

どんな流れになるか手に取るように分かる。ほぼ、その通りになる。

 

 

向き不向きはもちろんあるだろう。

その職業、それぞれに、特殊な能力が備わっていくのではないか…?と、思う。

 

 

 

ほら、やっぱりそうだ。

この人もほぼ予想通りの展開。

 

あと2時間。

連絡なし、来店なし…かな?

 

 

 

今日はナビの必要がない距離。

まあすぐ終わるからいいけど。

 

本来なら、自分からさっさとこなきゃいけないでしょ?

 

ねえ?